Synergy の実行

Synergy は、ひとつのキーボードとマウスを複数のコンピュータを越えて 使用することを可能とします。 そのためには、すべてのコンピュータがお互いとTCP/IPネットワークを介して 接続されている必要があります。 ほとんどのシステムではこの要件は インストール済みです。

ステップ 1 - サーバーの選択

最初のステップは、共有したいキーボードとマウスを選択することです。 キーボードとマウスを備えたこのコンピュータを "primary screen" と呼び、 そのコンピュータでは synergy サーバーを実行します。 すべての他の コンピュータは "secondary screens" であり、synergy クライアントを 実行します。

ステップ 2 - ソフトウェアのインストール

次に、ソフトウェアをインストールします。 適切なパッケージを選択して それをインストールします。 例えば、Windows では、 SynergyInstaller を実行します。 マウスとキーボードを共有したい すべてのコンピュータにソフトウェアをインストールする必要があります。

ステップ 3 - 設定およびサーバーの開始

次は、サーバーの設定を行います。 primary および secondary 画面の 名前、どの画面がどの画面の隣か希望するオプションを選んで synergyに設定します。 Windows では、設定用のダイアログボックスが 用意されています。 他のシステムでは、シンプルなテキストファイルを 作成することになります。

メモ synergyに画面A が画面B の左にあると設定したとしても、これは 画面B が画面A の右にあるということを意味しません。 つまり、明示的に両方向の関係を指定する必要があります。 もし、指定しなかった 場合、synergy を動かしている間 ひとつの画面から抜けることが出来ないことに 気が付くでしょう。

Windows
Windows では、synergy ファイル上で ダブルクリックして synergyを起動します。 すると、ダイアログが表示されます。 サーバーの設定:

そして、Test をクリックします。 サーバーが開始され synery の実行状況を示すログメッセージを備えたコンソールウィンドウが 表示されます。 もし、エラーが発生した場合、どのようなエラーかを知らせる ひとつあるいはそれ以上のダイアログボックスが表示されるはずです。 問題を 付きとめるためにエラーを読み、修正してから、Test を再度試してください。

Unix または Mac OS X
以下を含んだ、synergy.conf という名前の テキストファイルを作成します:

    section: screens
       screen1:
       screen2:
    end
    section: links
       screen1:
           right = screen2
       screen2:
           left = screen1
    end
それぞれの screen1 を primary screen を持つコンピュータの ホスト名(hostname プログラムで表示される名前)に、 screen2 を secondary screen を持つコンピュータの ホスト名に置換します。 上記の例では、 screen2 は、screen1 の 右側で、screen1 は、 screen2 の左側です。 必要に応じて right および leftleft, right, up または down に 置き換えることができます。 もし2つより多くのコンピュータを持っている場合、 それらを追加することができます: それぞれのコンピュータのホスト名を screens セクションに追加し、適切な links を 追加する。 設定可能な情報について詳しくは、 configurationguide を参照してください。

サーバーを開始します。 通常 synergy は、"バックグラウンド" で実行されます。 これは、端末から分離され可視のウィンドウを持たず、事実上 見えなくなります。 構成が正しく機能することを確認するまでは、-f コマンドラインオプションを使用して、synergy を "フォアグラウンド" で 開始するべきです

    synergys -f --config synergy.conf
エラーとして報告されたメッセージを確認します。 もし、自動的に停止されなかった 場合は、synergy を停めるために ctrl+c を使用し、問題を修正した後、 再度 開始させます。

ステップ 4 - クライアントの開始

次は、サーバーのキーボードおよびマウスを共有するそれぞれのコンピュータ上で クライアントを開始します。

Windows
Windows では、synergy ファイル上で ダブルクリックして synergyを起動します。 すると、ダイアログが表示されます。 クライアントの設定:

そして Test をクリックします。

Unix または Mac OS X
クライアントを開始するために、次を入力します:

    synergyc -f server-host-name
server-host-name は、synergy サーバーを実行している コンピュータのホスト名で置き換えます。

ステップ 5 - テスト

クライアントは直ちに接続が成功したことか、あるいはひとつまたはそれ以上の エラーメッセージを報告します。 ここに典型的な問題とその可能性のある解決法を 示します:

もし、"Xlib: No protocol specified" エラーが 発生した場合、恐らく 別のユーザとしてログインしている間に、 synergy が root として実行されています。 X11 はセキュリティ上の理由に よりこれを防ぐことがあります。 synergy をログインしているのと同じユーザと して実行するか、(推奨されませんが) "xhost +" を使用して誰からのディスプレイへの接続を許可します。

成功した場合、サーバー画面の適切な縁にマウスを動かしてクライアント画面上に 現すことが可能になっているはずです。 マウスをそれぞれの画面に動かして、すべての設定したリンクを確認してください。 マウスボタン、ホエール、キーボード操作をそれぞれのクライアント上で 確認します。 また、テキスト、HTMLおよび画像のカット&ペーストが コンピュータを跨いで可能です (HTMLおよび画像は、OS X 上ではまだ サポートされていません)。

ステップ 6 - 実行

すべてが正しく動くようなら、すべてのクライアントとサーバーが停止させます。 そして、Windows上では、Start ボタンにて、Unix および Mac OS X上では、-f を付けずにサーバーを 開始させます。 最後に同じようにクライアントを開始させます。

コンピュータの開始時あるいは、ログイン時に自動的に synergyが 開始されるように設定することも可能です。 詳しくは、 autostart guideを参照してください。

コマンドラインオプション ガイド

一般的なコマンドラインオプション
次のオプションは、synergys および synergyc によってサポートされています。

 -d, --debug level   デバッグレベル level の使用
  --daemon daemon (Unix) あるいは バックグラウンド (Windows) として実行
   --display display   display の X サーバーに接続 (X11 のみ)
 -f, --no-daemon フォアグラウンドで実行
 -n, --name name hostnameの代わりに名前 name を使用
  --restart 失敗時自動的に再起動
 -1, --no-restart 失敗時に自動的に再起動しない
 -h, --help ヘルプを表示して終了
  --version バージョン情報を表示して終了

最高のものから最低のものまでデバッグレベルはあります: FATAL, ERROR, WARNING, NOTE, INFO, DEBUG, DEBUG1, DEBUG2。 与えられたレベルを超える メッセージのみがログ出力されます。 メッセージはフォアグラウンドでの 実行時には端末ウィンドウに出力されます。 Unix は deamon として実行時に、 メッセージを syslog にログします。 Windows NT ファミリはサービスとして 実行時に、エベントログにメッセージをログします。 Windows 95 ファミリは サービスとして実行時に、メッセージボックスに FATAL ログを表示し、他のものは ターミナルウィンドウに表示します。

The --name オプションはクライアントあるいはサーバー が画面のためにホスト名ではなく名前を使用するようにします。 この名前は 構成を確認する際に使用されます。

毎回確実に発生するエラーがある場合、サーバーもクライアントも 自動的に再起動しないでしょう。 例えば、設定を見つけることが出来ない 場合 サーバーは直ぐに終了します。 X11 では、X サーバーへの接続が失われると(通常、これは死んだため) サーバーとクライアントの両方は終了されるでしょう。

サーバーコマンドラインオプション

    synergys [options]
サーバーは、一般オプションおよび以下を許容します:

 -a, --address address   アドレス address にて接続用にリスンします
 -c, --config pathname   pathname から設定を読み込みます

address は、次のひとつの形式を持ちます:

    hostname
    :port
    hostname:port
hostname は、サーバーシステム上のネットワークインターフェースの ホスト名あるいはIPアドレスです。(e.g. somehost または 192.168.1.100)。 port は、1から65535の間のポート番号です。 hostname の デフォルトはシステムのホスト名です。 port の デフォルトは 24800 です。

クライアントコマンドラインオプション

    synergyc [options] address[:port]
address は、サーバーのホスト名またはIPアドレスで port は、オプションの接続するためのサーバー上の ネットワークポート番号です。 クライアントは、一般オプション を受け入れます。